2010年12月19日日曜日

松枯れに炭を



幼い頃から、家の前に浮かぶ松の茂る島を見ては、松は枯れるものだと思っていました。
その反面、松の枝ぶりや葉の美しさをずっと感じてきました。

松枯れの対処について調べると、どうやらよく言うところの「松食い虫」だけが理由でないようで、炭などを蒔くことによって土壌を健全に導き、その結果松自身の抗力を引き出すという手法が効果的だそうなのです。

このことを知って以来、松枯れの現場に炭をまきたいと思っていました。

思っていたらこれがまたタイミングが重なるもので、今日実家を訪れると裏手の空き地にかなりの量の木炭がきれいにおいてありました。なんでも先週地区掃除があり区民で燃したものがそのままになっていて、処分に困っていたのだとか。。今日は炭を蒔くぞと思っていたのでそれはそれは驚きました。

その炭を持って弟と島に行き、炭を巻きました。
すぐに効果はきっと出ません、そのまま枯れ続けるかもしれません。
しかし個人的な動機ですが、思い出の原風景は残って欲しいじゃないですか。

今はとっても清清しい気分です。
またやろう!

2010年12月13日月曜日

山頂にて



午前10時過ぎ、車力道ルートを進み晴天のあたたかい鋸山山頂に着いた僕らは、コーヒーをいれて2時間以上話をした。その間、目の前にはゆっくりとトンビが旋回しながら飛んでいた。

一緒に登ったのは、博多出身の友人で彼とは7年近く前に沖縄のドミトリーを訪れた時、一日一緒になったのが縁。

振り返ると、初めて会った時はたくさん話しはしなかったけど、なんだかんだで2年に一度くらいのペースで顔をあわせ「久しぶりの気がしないよな」なんてことを毎回言っている。毎回会う理由は同じではなくて、お互いの興味を持つこと、取り組むことの延長がいつも重なっているのが面白いし嬉しい。

今回僕らが会ったのは、「山登り」の世界だった。彼は山登りを通して様々なインスピレーションを受けることを楽しんでいて、一方僕はいわゆる登山が趣味と言うわけではないけど、身近にある安房の山や自然をボディーワーク的に感じたいと思っている。そんな動機が重なり山頂でのコーヒーとなった。

頂上では鋸山の景色や、仕事、写真や美術、サーフィン、スケートボード、沖縄のこと、街の事など、、色々な話をした。

中でも印象的だったのが、「山は、どういうわけかすれ違う人と挨拶をしたくなるんよ。」
彼の言葉を聞いて、山を下った後の明日からの生活でもそんな心持でいたいと思った。

ありがとう、一緒にまた、房総の山を歩こう。

2010年12月8日水曜日

ある日の小さなスクープ



いつも通る道や、みかける場所の中で、気になるものはありませんか?
例えば素敵な人を見かけるとかでもいいです。なんかいつも気になるなぁというやつです。

僕はこの一年弱くらい、気になっていたモノがありました。
それは房総半島の山道にある、とある寂れたバス停に置かれているセブンチェアらしき椅子。

仕事中に脇を急いで走り過ぎる度に「あれは絶対ヤコブセン」とずっと楽しみにしながら思っていました。
普段家でアントチェアを気に入って使っているのもあり、親近感があります。

先日、そこの前を通ったのでクルマを止めました。
クルマを降りると一年弱の謎が「今、明かされる」という緊張感が辺りを包みました。ドアを閉め、バス停に近づくたびに確信の度合いが高まります。座面はノーマルでなくてエンジ色のかわいいフロントパディング付きです。椅子を裏返すとやはりラベルには「フリッツハンセン」の文字が。その古いタイプのラベルを見たと同時に人気のない山道で、どういうわけかじわーっと感動を覚えました。

しかし、なぜあのセブンチェアがそこにあるのかを考えるのも面白い。おそらくきっとお年寄りが家にあったのを「丁度いいやで」ということで、バス停の椅子に持ってきたんじゃないかと。

風雨でかなり痛んでいますが、あんなに座りやすいバス停の椅子に座ったのは初めてでした。
あの椅子はそっとしておきたいです。バスを待つ人には助かる椅子ですね。