2012年10月22日月曜日

ゆりかごのうた



つい先ほど、娘を寝かしつけていた時のこと。

読んでいた絵本のなかに「ゆりかごのうた」が出てきたので、妻がそれを歌った。
このうたは今のように自分で走り回れるようになる前、よく歌ってきかせていた。

妻の歌を聴いている娘の口は少しずつへの字になって、しだいに瞼は涙で潤み始めた。
ほっぺはうっすらと動いていて、どうやら泣きたいのを我慢しているふうだった。

ひょっとしたら、前にきかされていた頃の事を懐かしんでいるんじゃないか?と妻と話した。
どういう心境か分からないけど、いつもの泣くときの雰囲気とまったく違って、その表情はどこか内側から湧き出るものに向き合うような印象で、僕自身も心情をくすぐられるものがあった。

娘が生まれて一年半。僕たち親の感じる一年半と、彼女の感じる一年半はまるで違うはず。
心身ともにすごいスピードで変化する自分を本人はどう感じているんだろう。

もし、さっきの表情が、娘に「なつかしさ」のような感情が芽生えた証拠だとしたら、それはすごくかけがえのないことだと思った。