2011年3月8日火曜日

旅行と文章



旅行をしている間は、限られた時間の中で多くを感じとろうとする「旅人センサー」なるものが作動しているのではと思うことがあります。

「本」というのも、センサーに引っかかりやすいもので、その旅行の良し悪しに作用するニクイやつなのではないかと思います。

僕が旅行先で出会って嬉しいと思える本は、コンビニや書店で当たり前に並んでいるような類ではなくて、その場所やその店にしかないもの。あるいは訪れた土地に根をはった内容が描かれているものです。

旅行中は決して万人が楽しめることだけに触れたいわけではなく、自分の思い出を満たしてくれることや、家に帰ってからの日々のなかでじっくりと消化されていくようなこと。そんなものに触れたいと思います。

当たり前のことだけれど、旅行者として訪れる町にはそこに暮らす人がいるのです。
そこに愛着を持って暮らす人が綴った本のページからは、その土地への優しさみたいなものが湯気のように立ちのぼり、町をあたたかく覆っているような気分になります。昨年、黒磯でいい本に出会いました。写真は、黒磯のバールトタンにて。

僕らの作る「0470-」。房総のショップやカフェなどにも置いていただいています。ご旅行の時に見かけたら是非お手にとってみてください。