2012年7月13日金曜日

メローイエロー



出発時間の10分前に起きてしまった。エンジンのキーをひねるまでにやらなきゃいけないことを数えている暇も惜しい状況。洗面台関係を5分で終わらせて、財布と鍵と着替えと、、、ようやく車を走らせたのがいつもの5分後だった。遅刻は決定。約一時間の道中、そわそわしながらアクセルを踏んだ。

半分くらいまでくると朝日で車中の温度は上がり、のどが渇いてきた。起きてから、飲まず食わずだったので、のどの渇きは気になる一方。「どうする?道端の自販機に停める?でももっと遅刻しちゃうよ?」なんて声が聞こえてきた。「そうはいってもこのままはつらいよ!」頭の中で会話をしながら、走った。僕は飲みたい派の意見(本心)をゴリ押しして、道端に車を停めた。


自販機に駆け寄った。焦っているくせに、自販機の前に立つと、思いのほか呑気に、ちゃんと選ぼうとしている自分に軽く驚いた。普段ならお茶か水。しかし、ほぼ無意識に「メローイエロー」のボタンを押していた。微炭酸による焦りからの開放を欲したのかもしれない。


「ガチャン」と音がした。取り出し口の隙間から缶が見えた。
キラット光る黄色い缶にはこんなことが書いてあった。


「メローイエローは、時計を気にせずに 自分のペースで ゆったりしたひとときを楽しみたい人のための なめらかな味わいの シトラス系炭酸です。」


まったくいい朝だった。