2010年2月17日水曜日

房州うちわを買うこと。



うちわはクーラーや扇風機が出る以前は誰もが手にしていた、涼の主流だったそう。

多分手軽に涼をとる道具が他に少なかったからだと思います。

今なんで工芸商品としてうちわが残っているか、それはきっと 「やっぱり便利」とか「やっぱり涼しい」とか「文化としてのこしたい」のような理由かなと思います。


房州うちわは誰でも竹やぶに入って材料を取れば、すぐ作れるようなものでなくて、やっぱり職人と呼ばれる人がいる。そういう作るための技をもつ人でないと基本的に作れない。だから工芸商品なんだと思う。

商品としてやってる以上は、売れないと次につながらないし、文化も売れなければ無くなってしまう。
なにより気に入って買ってくれる人がいるから作り甲斐がある。チケットを作ってライブをやるのに、お客さんがいる分うれしくて気分がのってくるような感じ。


そんなふうに考えると「買う」っていうことは、文化のバトンを次世代につなぐことなのかもしれないなと思います。


利益優先を前提とした成長・拡大思考が、お金の価値や取引を実物経済を超えたものにし、実際の経済機能をおかしくしてしまった今の世の中、今後経済がどう向かうのかわかりませんが、身の丈の商いや売買のシンプルな意味を振り返るのがいいような気がします。