2011年7月31日日曜日

聞こえていなかった音

小雨が降るいつもの山道を走っていると、小さい波の音が聞こえてきた。それは何かの拍子で大きくなったか、自分の耳がたまたまとらえたという感じで、気づいたらそこにあったと言うような聞こえ方だった。心地よい音だったので、山の中で聞こえることに疑問を覚えたのは一分くらい経ったころだった。

ラジオは小さな音でオンになっていたけれど、この山道ではラジオは聞こえない。少し走ると、波音の理由はすぐ近くにあったことに気づいた。スピーカーから聞こえる波音のタイミングと一緒に、古くなったワイパーがゆっくり動いていた。