2012年6月13日水曜日

沖箱展



先日のこと。友人と波乗りをした後、サンドカフェに沖箱の展示を見に行ってきた。

「沖箱」とはかつて漁具として当たり前のように使われていた木箱。
沖箱も房州うちわ同様、おそらくプラスチック製品の台頭がある意味を持った民具だろう。

船という限られたスペースの中で細かい道具をちゃんと収納できる実用性や、船上のイスとして適度な高さに作られた機能性、緊急時には浮きにもなったという密閉性などを兼ね備えた、気のきいた道具。「デザイン」というより「意匠」という言葉を連想させる佇まい。そんなところに魅力を感じた。

この展示はそんな沖箱のもつ「実用」と「趣」と「房州の民芸性」を、新しい様々な用途を提案しながら粋に紹介していた。

この箱が「沖箱」というものだとは知らなかったのだけれど、手にとって見ていると、どこかで見たような気がした。記憶に間違いがなければ、実家の倉庫だったはず。

僕は漁を生業にしているわけでもないけれど、もし家に沖箱があったら、僕も自分なりにこれを使おうと思った。なんというか、この土地(主に海を向いていた人)に続いてきた営みに参加したいと思ったからだ。