「江戸時代、ここにはいくつかの畑と墓地がある岬が海に突き出していて、その岬は、大地震によって海に沈んでいったんだ。だから海のそこには今もお墓があるんだよ。その後大きな津波が来て、今いるこの辺りは全部流されてしまったんだ。」
これは僕の実家の目の前の海に伝わる話。僕は、幼い頃から父や毎日決まって海辺に夕涼みに来る近所のおじいさんから、この話を聞かされて育った。そのせいか、地震というものを良くわかっていない時分から、その得体の知れなさや、とてつもなさみたいなものを想像していた。
2週間前、大津波が東北を襲い日本中にかつてない被害をもたらした。
いろいろな情報ソースはあれど、地震というのは、個人のレベルにおいて、いつ起きるかなんてわからないといっていいだろう。ある意味予測ばかりにとらわれては危ない面もあるかもしれない。
だからこそ、日常で語り継いでいかなくてはいけない。
伝承は、ある意味「緊急地震速報」よりも役に立つような気もする。
今、日本で起きていることを語り継いでいかなくちゃ。と思う。